お忙しくて大変でしたね。しかし20年前のことを「若かった」とおっしゃるからには、ご住職もよいお年。
>マスコミに登場する学者達は、ハクション大魔王の出てくるツボかタジン鍋のような原子炉の構造の説明に終始するだけでした。
やっぱりくしゃみしたら出てくる壺に見えますよねえ、私もそうです(古っ)。
原子炉の構造解説も大事ですが、原子炉だけ見ていても事故対策はできません。また、直線距離だけで汚染度を判断するのは非常に危険です。みんなが知りたいのは、おっしゃるとおり危険の程度や汚染予測範囲と分野、被害を最小限にとどめるのに何をすればいいかといったことです。本来なら、気象、地理、地質、海洋、生物、医療、流通と交通、歴史、福祉、災害社会学など広範囲な分野の知恵が必要なのですが、一般に理系の人は、他分野とのネットワーク作りが非常に下手です。おっしゃるような視野狭窄が考え方や価値観、行動パターンの全体に及んでいますし、競争心の強い人が多くて、他分野を押しのける対象としか見ない人もいます。お上の分断統治政策に見事に引っかかってるとしか思えないのですが。
いずれにせよ危険度を検証してる人らは、東京のマスコミには絶対といってよいほど呼ばれないそうですよ。箱根の向こうでは、よりいっそう情報が少ない可能性があります。
>地震の直後、バカ菅とブタ枝野のお笑いコンビは、メルトダウンの可能性を認めた原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官を更迭しました。理由は、国民に不安を与えたこと。
政治家も官僚も東電も大学もマスコミも、ほんとのこと言ったり大勢に逆らったら組織で生きてゆけないのが日本社会で、だからこそこんな事態になったとも言えますし、こんな事態になっても方向転換が利かないから、子供や若者、現場労働者がどんどん被曝するし作業してる自衛隊員が死ぬんですよ。
マスコミでも、フリーだけがつっこんで大手は何も言わないってのは、最初から保身しか考えてないからで、問題の根っこは似たようなものじゃないでしょうか。もともとあいつらは紛争地帯にフリーばかり派遣する、アル・ジャジーラやBBCから買った映像を繰り返し流す、文章はド下手、ルーティーンワークで高給取ってる連中です。
もう一つ、あまり報道されていないかもしれないことを書いておくと、日本の原発は地理的にだけでなく発電所内の原子炉の数が過密状態で、一カ所の発電所にいくつもの原子炉を作ることが多いです。西ヨーロッパが原発過密地帯といっても、原子炉は原則的に一カ所につき一基か二基。
いっぽう福島第一原発には原子炉が六基、すぐ隣の福島第二原発に四基、福井県日本海側の通称原発銀座にいたっては合計で十四基+もんじゅ様といったクレイジーな状態で、これでは災害時の収拾がつかなくなるのも当たり前でしょう。一カ所にどかどか建てて、しかも古くなっても使い続けるなんていうむちゃくちゃなことをしてきたのです。
これは今の政府だけを批判してすむ問題ではなく、長年の間危険もかえりみず原発を作り続けてきたツケがきて、今後はもっと長い期間(もしかしたら半永久的に)解決できない汚染を、みんなが背負わされてしまったということです。