名作『天才バカボン』は今どうなっているのか。
原作の漫画は、僕もリアルタイムでは読んでない気がする。
ちゃんと調べてはいないけど。
アニメはリアルタイム。
気がついたら、もう単行本が沢山出ていて、
しかも小学館でも講談社でもなく「曙出版」からだった。
父親が何かの折に一冊だけ、それも四巻だか七巻だか半端なトコを買って来てくれて
それにズッポリはまって、以降「全巻揃える」なんてのは夢だけど
お小遣いであちこち適当に買ってた。
で、まあいつも面白かった、のだが
連載が長期に渡ったせいか、同じパパやバカボンは出て来るものの、
巻によって雰囲気というか作風がエラく違って、子供心にとまどったのを憶えている。
不安になるというか、なんか寒々しい時があった。
時代時代の景気のせいもあるかもしれないけど。
妙に「貧乏人」とか出て来るし。
こうはなりたくない、とビビったものだ。
…まあ腹巻きと草履をもらって「御馳走だー」って泣くほど腹を空かす貧乏って
逆にそう簡単にはなれない、と今は思うけど。
『今日のバカボン』
冒頭、ダブルのスーツ姿の恰幅の良いおじさんが葉巻を吸っている。二コマくらい。
が、次のページに至るやオジさんは絶叫する。
「ママー!たばたばちゃんの灰がおっこちそーだよー!」
このオジさん、スーツ着て髭もあるけど超マザコンという設定だったのだ。
で、精神年齢は子供なのかと思えば母の留守中読む本が『若きウェルテルの悩み』だったり。
大人の本満載らしい本棚を物色した末に「これはまだ読んでないや」と選んだのが、
題名忘れたけど王子様とお姫様がハッピーエンドで結ばれる童話。
「お嫁タン」が欲しくなったオジさんは母親におねだりする。驚愕する母親。
「ボクちゃんにはまだ早いわよ」(汗
「でもボク45歳だよ」
「でもまだ早いの!」…………………爆笑。
「45歳」の台詞言う時の「キッ」とした顔ね。お前わかってるならちゃんとしろよ、と。
まあ「でも早い」と言い切る母親の方がコワいけど。
その後バカボンのパパがこの家に「キレイなお姉タン」を連れてくる(やっと出番だよ)
で、いきなり新婚生活、そして嫁姑の争い…
「ほーら、ご飯に旗が立ってるわよー!」
「こっちはおイモの怪獣のおまけつきよ−!」
「…わーん、どっちに行っていいかわかんないよー!」…ちゃんちゃん。
なんでお姉タンはこんなヤツに嫁ごうと思ったの?
この家の経済はどうやってなりたっているの?
すごい遺産でもあるか、オジさんは人格的にはアレだけどすごい芸術家だったりするの?
ああ面白い『天才バカボン』