十二礼
【01】
稽首天人所恭敬 阿弥陀仙両足尊
在彼微妙安楽国 無量仏子衆囲繞
天・人に恭敬せられたまう、阿弥陀仙両足尊に稽首したてまつる。
かの微妙の安楽国にましまして、無量の仏子衆に囲繞せられたまえり。
【02】
金色身浄如山王 奢摩他行如象歩
両目浄若青蓮華 故我頂礼弥陀尊
金色の身、浄くして、山王のごとし。奢摩他の行は、象の歩むがごとし。
両目の浄きこと、青蓮華のごとし。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【03】
面善円浄如満月 威光猶如千日月
声如天鼓倶翅羅 故我頂礼弥陀尊
面よく円浄なること、満月のごとし。威光はなほ、千の日月のごとし。
声は、天鼓と倶翅羅のごとし。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【04】
観音頂戴冠中住 種種妙相宝荘厳
能伏外道魔驕慢 故我頂礼弥陀尊
観音頂戴の冠中に住したまう。種々の妙相、宝をもつて荘厳せり。
よく外道と魔との驕慢を伏す。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【05】
無比無垢広清浄 衆徳皎潔如虚空
所作利益得自在 故我頂礼弥陀尊
無比・無垢にして、広く清浄なり。衆徳皎潔なること虚空のごとし。
所作の利益に自在を得たまえり。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【06】
十方名聞菩薩衆 無量諸魔常讃歎
為諸衆生願力住 故我頂礼弥陀尊
十方に名の聞ゆる菩薩衆、無量の諸魔、つねに讃歎す。
もろもろの衆生のために、願力をもつて住したまう。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【07】
金底宝間池生華 善根所成妙台座
於彼座上如山王 故我頂礼弥陀尊
金を底とし、宝を間えたる池に生ぜる華、善根の成ぜるところの妙台座あり。
かの座の上にして山王のごとし。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【08】
十方所来諸仏子 顕現神通至安楽
瞻仰尊顔常恭敬 故我頂礼弥陀尊
十方より来れるところのもろもろの仏子、神通を顕現して安楽に至り、
尊顔を瞻仰してつねに恭敬す。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【09】
諸有無常無我等 亦如水月電影露
為衆説法無名字 故我頂礼弥陀尊
諸有は無常・無我等なり。また水月・電の影・露のごとし。
衆のために法を説くに名字なし。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【10】
彼尊仏刹無悪名 亦無女人悪道怖
衆人至心敬彼尊 故我頂礼弥陀尊
かの尊の仏刹には悪の名なし。また、女人と悪道との怖れなし。
衆人、心を至してかの尊を敬ふ。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【11】
彼尊無量方便境 無有諸趣悪知識
往生不退至菩提 故我頂礼弥陀尊
かの尊の無量方便の境には、諸趣と悪知識あることなし。
往生すれば、退せずして菩提に至る。ゆえにわれ、弥陀尊を頂礼したてまつる。
【12】
我説彼尊功徳事 衆善無辺如海水
所獲善根清浄者 回施衆生生彼国
われ、かの尊の功徳の事を説くに、衆善無辺にして海水のごとし。
獲るところの善根清浄なれば、衆生に回施してかの国に生ぜしめん。