以下の文章は秋田県大潟村の鈴木秀則さんのブログから勝手にコ
ピーしております。
雨が降っております。稲はどんどんつぶれていきます。どうなる
か、全く予想が付きません。刈り取れないところが出てくること
は覚悟ですが、コンバインが壊れたら、もうどうにもなりませ
ん。新製品が、営業所に納車していましたので、じっくりとみて
きました。6条刈り、100馬力。残念ながら、亀の尾の刈取り
は、不可能です。当然、山田錦も、雄町も、いわゆる背の高いイ
ネの刈取りは、全く考えていない設計です。普通の稲も、今年の
ような天気だと、やはり長くなって、かなり倒れたところが見え
ます。そうなると、刈取りが非常に難儀です。農機具の開発は、
農林水産省からの補助金があったはずです。酒米を主食用米と同
じようなカウントをしなくなったとしても、つまり、転作をした
とみなされても、収穫の方法が無ければ、栽培は出来ません。
前々から言ってきたように、今使っているコンバインが壊れた
ら、間違いなく亀の尾の栽培は出来ません。収穫しなくてもお金
を頂けると言うなら別です。まあ、そういう事はあり得ないので
すが。亀の尾や、酒米、長くなる品種の比率は、かなり低いもの
です。そのための、値段の高いコンバインを作っても、今の状況
では売れないのだと、メーカーは言います。だから、そういうコ
ンバインは製造しないし、そういう刈取りの出来ないような特殊
な品種は、栽培するな。そんなものを刈り取るようなものは、作
る気はない。どんなに日本酒がブームとなって、酒米の、それも
おいしいお酒の出来る品種の栽培は、確実にできなくなります。
今見てきたコンバインは、それでも、1000万円以上します。
それだけでも頭の痛い事ですが、もし、酒米や、背の高くなる品
種を刈り取ることができるコンバインを作ってもらうとすれば、
数十億円で、果して買えますかどうか。ノウハウは、農機具メー
カーが持っています。少し前のコンバインであれば、これほど悩
む必要が無く、刈取りが出来ると言う自信がありました。その性
能を持たせたコンバインは、もうほとんど動いておりません。部
品の供給も、すでに終わってしまっています。もしそれをどこか
がやるとすれば、必要な部品の供給は、絶対にしません。自分の
会社を守るためには、当然です。私が、亀の尾の栽培をやめると
言う事は、大きな影響がありますし、当然種の供給も出来ないと
言う事になります。今、風前の灯なのだと、新型のコンバインを
見させられて、打ちのめされて戻ってきました。待ったなしで
す。今年壊れるか、それとも来年か、本当にあと何年亀の尾を栽
培できるんでしょう。改良信交、美郷錦、秋の精、吟の精も、か
なり慎重な栽培をしてやらないと、収穫が出来ない機械です。安
倍晋三は、素人です。全体を見ることが出来なかったと言う事で
しょう。日本酒、それも本当に美味しいものは、あと数年のうち
に無くなります。農林水産省は、日本酒を大事にする、国酒だ、
などと言う事は、これっぽっちも、考えていません。秋田県の農
業試験場のある方が言いました。なあに、普通の米余ってるが
ら、それで作ぐればえべしゃ。そんたら、めんどう臭しぇ話され
だって、誰もやらねし、酒の味だけ、誰わがるもんで。チャンチ
ャン。