おばんで〜す。
>鞄に入れての持ち運びも出来そうです。
これって、陽子先生もやってませんでしたっけ?(更級さんのサイト参
照)
>中身を教えずに、霞に運ばせたいですね。
>開けた時の反応が見ものです(^^)
で、こんなテキスト書いてみました。
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放課後、学園の玄関で舞を待っていた霞は、舞がいつまで経っても来な
いことに苛立っていた。
そこへ水泳部の先輩が葉月からの伝言を伝えに来た。
「小早川先生、科学準備室に呼んでるわよ」
霞は科学準備室に足を運んだ。そこで待っていたのは白衣姿で机に向か
っている葉月だった。授業で使う教材のプリントをパソコンで作成中だ
った。彼女の足下には大きなスポーツバックが無造作に置かれていた。
「霞。このバック、美希の所に届けて頂戴」
葉月はバックを軽く突っつく様に蹴った。
「ご、御用はそれだけですか?」
「それだけよ」
余りに素っ気ない返事に、霞は訝しんだ。
「これ、交通費。早く行きなさい」
葉月は樋口一葉の銀行券を投げると、再びパソコンとにらめっこになっ
た。
(どうも変ね。葉月様ったら、何企んでるのかしら。それにしても大き
なバックね。何入ってるの? 中身、30キロ位あるかしら。子供だっ
たら入りそうね)
バックはショルダーになっていて、長く太い肩紐を肩に掛けて運んだ。
相当大きく、霞位の中学生には少々重かったが、持って歩けない程では
なかった。外側からの感触では、ダンボールで何かをくるんだ物らしか
った。
バスと電車を乗り継いで、美希の仕事場に到着した。霞はドアを開けて
入っていった。
「御免下さい」
「あら、霞ちゃん。いらっしゃい。あれ? 舞ちゃんは?」
「へ? 舞ですか? 私一人よ」
「あれ、おかしいわね。葉月様から舞ちゃんの拘束具の試着させるって
お電話あったのよ…」
「はぁ? 私はこのバックを美希さん所に持ってけって…」
美希はバックに目を移した。
暫しの沈黙。
そして、引きつった笑い。
「まさか、この中に舞ちゃんが……、なんて事ある訳ないわよねぇ」
「そうよ。何かダンボールみたいだったし…」
二人は笑いながらバックを開いた。確かに中には無造作に何かを梱包し
たダンボールが入っていた。だが、そのダンボールの梱包を解いた時、
二人の笑いは消え、美希は驚きと恐怖に絶句し、霞は絶叫し、泣き叫ん
だ。
「きゃぁぁぁっ!! ま、舞ぃぃっ!!」
何とダンボールから出てきたのは、ギチギチに緊縛された舞だった。
全身汗だくで、タイツとレオタードはグショグショに濡れていた。
顔も涙と汗まみれで、猿轡をされていた口元も涎だらけだった。
「舞っ! 舞っ! しっかりして!」
「ちょい待ち、霞ちゃん。いきなり解いちゃダメ。ほら、エコノミーク
ラス症候群の事、知ってるでしょ」
パニくる霞を、美希は落ち着かせてなだめ、冷蔵庫から烏龍茶のボトル
を持ち出し、舞に飲ませた。
それから少しずつ縄を解いていき、完全に拘束が解かれた舞を霞は泣き
じゃくりながら抱きしめた。
一方、美希もやっと落ち着いた表情になった。
「しかし、葉月様も、ここまでやる……?」
外で車の止まる音がした。