博物館に着くとアキラさんお食事中。
「食べましたか?」とこちらに聞いてくれる。
以前奥さんが笑いながら
「いっしょにどうぞー」と誘ってくれたのを思い出して胸が詰まる。
事務所を覗くと
眼鏡の白人男性が寄付の箱をひっくり返してお札を数えている。
カナダ人スタッフのリチャードだという。
「キミはジャーナリストか?」と聞くので
「いや漫画家だ」と答えると
「漫画家?えっじゃ『アキラ』か?うわ、会いたかったんだよ」
と感激してくれる。
オレ有名人?
…ていうかこの博物館でくらい有名じゃないと逆に悲しいw
アキラさんにインタビューに来たタイ在住のオーストラリア人ジャーナリスト
ジャックにも会う。
「申し訳ないが今はあまり話せない」と言うアキラさんに
「わかる、わかるよ」と言いつつピンマイクつける。したたか。
ジャックに『密林少年』の単行本を見せて
「フランス語版も出版されてる」というと
「じゃあそのフランス語のやつを買うよ」といってくれたけど手に入るかな。
印税はもらったから出てるとは思うけどオレもモノ見たことないんだ。
自分でも欲しいし
この博物館にも置きたいんだけどな。
昨日(二日目)は
一人の子を誘って山崩しを始めたら
参加者続々の大盛り上がりで
それから
砂山に埋めたゴムを木の枝で引っ掛けるゲームやら
日本のパーティーゲームみたいのやら
かくれんぼやら…久々に子供たらしたw
つくづく子供相手なら言葉なくてもなんとかなるのだなあ
何かあげるより一緒に遊ぶ方がいいのかもなあ
なんて思う。
その子供達は今日も歓迎してくれる…でも数が少ない。
半分は学校に行ってるらしい。
来る途中に去年は無かった学校が出来てた。
カンボジアは学校の数が少ないので
子供達を「午前組」「午後組」に分けてるって聞いた。
今ここで早めのお昼食べてる子達は午後組ってことなんだろう。
やがてみんながトラックに乗って登校して行くのを見送り
しばらくすると同じトラックが午前組の子達を乗せて戻って来た。
アマタとミンもいる。
地雷原に向かうアキラさんに誘われ
ジャックと、あとトレイシーという女性と一緒に同行することに。
二台に分乗、こちらはドライバー氏とジャックとトレイシーとオレ。
車中ジャックにファミリーネームを聞かれ
「じゃあフーカヤって呼ぶよ」って言うので
「アキラ・ジャパンでいいよ」って返したらちょっとウケた。
車中アキラさんの奥さんの話が出たので
『密林少年』のラストに描いた、二人のなれそめの話をする。
(女子高生だった奥さんが友達四人連れでやってきて
この中から誰か選んで!…と言った話)
かなりひどい英語だったけどなんとか通じて笑いは取れた…けど
もっとつっこんで話すべきだったかな。
「選ぶ」ということには特別な意味があって
何も知らず、何も選べなかった「ジャングルボーイ」が
成長して、戦争が終わった後
色んなことを知って、自分で考えて
自分の意志で地雷除去を選び「良い人間」であることを選び
そしてあの奥さんを選んだってこと。
なんか自分の拙い英語力に消沈してしまって
後半静かになっちゃったけど
どんなに格好悪くても自分の知ってるアキラさんのこと、
もっとガンガン話せばよかった。
いくらかでも取材の助けになったかもしれない。