原作の「アキラの地雷博物館とこどもたち」は児童を対象にした作りのせいか
サラッとした感じの本になっていますが内容は非常に重たいもので、こういう
題材がきちんとした取材のもとにメジャーなコミック誌に(単発ではなく)連
載されるというのは(コミックを読まなくなって久しい私には)ちょっと驚き
です。
カンボジアおよびポル・ポト関連の本は非常にたくさん刊行されていて、私は6
冊しか読んでいませんが、つくづく思うのは「なんとまあ、ひどい話なんだ」の
一言。今現在はフンセンが権力を完全に掌握して政情は「安定」しているものの、
国内には数百万の地雷が埋まったままだというし、ポル・ポト裁判もようやく動
き始めたばかりです。
原作は非常にサラッとしていて、それゆえ細部は作者が埋めていかなければならず、
とても大変だと思いますが、一回目を見て「ううむ、素晴らしいなあ」と感心しま
した。連載が終了して1冊の単行本になったら、これはカンボジア問題に関心のある
人には必読の本になるのではないかと確信しています。
大変でしょうが、ご健闘をお祈りします。