トランペット未来塾掲示板
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Re: 曽我部清典飯靖子デュオリサイタル後半
曽我部清典 2013/05/15 11:57:35 Macintosh; Intel Mac OS X 10_8_3) AppleWebKit/536.29.13 (KHTML, like Gecko @114-179-019-146.jp.fiberbit.net
 本日最後の演目となりました。ニノ・ロータ(1911~1979)はつとに映画音楽で有
名ですが、本人は「本業はあくまでもクラシックであり、映画音楽は趣味に過ぎな
い」と語っています。ミラノ出身、11歳でオラトリオ、13歳でオペラを作曲。そ
の後アメリカのカーティス音楽院で学ぶ。その後、ミラノ大学の教師を務める。19
51年その映画音楽のパートナーであったフェデリコ・フェリーニ(1920~1993)と
出会い、彼のほとんどの作品の映画音楽を手がけました。フェリーニの葬儀の際に流
されたのがこの「天使の即興」です。私はどうしてもこの作品を演奏したいと思い、
あちこち探した結果、この時オルガンを弾いたのがルイージ・チェレギンさんである
ことを突き止め、メールを送りました。直ぐに、お嬢さんであるアンジェリカ・チェ
レギンさんからお返事を頂きました。手書きの楽譜があるので、それをスキャンして
送るから、少し待って下さいとのこと。私は心の中で「よし!やったぞ!!」と叫び
ました。しばらくして、アンジェリカさんから、楽譜が送られてきました。今回のコ
ンサートが決まって、「5月17日に東京で演奏することになった。」とアンジェリ
カさんにお伝えしたところ、大変ショックなお返事を頂きました。昨年12月にお父
様は急死なされたというのです。そして「差し上げた譜面は、あなたの熱意に打たれ
て、個人的にお贈りしたので、あなた以外は演奏しないで下さい。」と書いてありま
した。大変光栄な話ですが、とても残念です。今日の演奏を、昨年お亡くなりになっ
た飯さんのご主人飯忍さんと、ルイジ・チェレギンさんに捧げます。

 最後までお読み下さりありがとうございました。私たちの旅はまだまだ続きます!

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曽我部清典飯靖子デュオリサイタル後半曽我部清典 2013/05/15 11:57:04