トランペット未来塾掲示板
曽我部清典と読者の間の音楽に関する話題の窓口です。
曲目解説
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伊左治直作品

Fanfaria
スペインの詩人ガルシア・ロルカ原作のラジオオペラ「密室音響劇《血の婚礼》」の
一部。幻想的な森での悲劇へのファンファーレとして作曲された。

伯剌西爾音頭
トム・ジョビンの《ソ・ダンソ・サンバ》をもとに再作曲。地球の裏側ブラジルから
日本へ音楽が伝わるうちに、伝言ゲームのようにオリジナルから変容し、日本に着く
頃にはサンバ→踊り→音頭になってしまいました。という架空の文化伝播の歴史をた
どる音楽。

竜の湯温泉郷への追憶(委嘱新作)
竜や(その同類の)蛇の名がついた温泉は多い。湯煙は竜の吐息であるとか、地下を
巡る熱湯は竜そのものであるとか考えられていたことに由来するのだろう。また、温
泉は異界との境でもあり、事実「地獄」の名のつく温泉も存在する。そして、この双
子座三重奏団という、ある意味現実離れした個性の演奏者たちをイメージしたとき、
ピアノの内部がこの世とあの世の境のような、なにやら沸き上がる温泉のように見え
てきた。そしてまた、この作曲でわたしは、日本人にとって温泉と芸能がその本質に
おいて強く結びついている事を再認識させられた。


新垣隆作品

ゆうひが丘の総理大臣+α
「ゆうひヶ丘の総理大臣」は70年代後半、学園コミック(作、望月あきら)が連載
中にドラマ化されたものの主題歌である。その冒頭、空に舞う爆竹とドラマの最後に
必ず海のシーンとなり何やらクサいポエムがテロップで出るのが特徴であった(笑)。
―後年曽我部さんよりお話を頂き、このアレンジに取り組んでいた頃は、「自分は
ビートルズではない、モンキーズなのだ」というよく分からない強迫観念の只中に
あったが、それから更に十年が経ち、その悲壮なこだわりが一体何であったのか今で
は全く思い出す事が出来ない。とは言え、これは私の代表作となるものであって、そ
してその内情は「実は曽我部、中川両先生のほとんど即興演奏」である(―いいのか
これで―@近田春夫)。

インヴェンション あるいは 倒置法 V(委嘱新作)
双子座三重奏団のためのはじめての作品である。―'83年の6月、現代音楽祭 「今日
の音楽」のトップバッターはアメリカから来日した「THE」という声とトランペット
のデュオだった。―実際には行かなかったそのコンサートのプログラム解説と演奏写
真を眺めているだけで私は幸せだった。―その前年、この音楽祭の作曲コンクールに
私は応募した。偶々音楽事典で見た図形楽譜を真似てこりゃ入賞間違い無し、と意気
揚々と提出した。―本日のコンサートは私の中ではここからそのまま繋っている。―
曲は4つの楽章からなり、全体は冒頭部のありとあらゆる様々な変奏と解釈出来る。

引用しない

【この記事の返信元】
プログラムebakos 2010/11/24 00:32:16

【この記事への返信】
Re: 曲目解説2ebakos 2010/12/03 00:21:52
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