私はライブドアや楽天、あるいはサイバーエージェントといった会社は「IT関連企業」であっても「IT企業」とは思っていません。正しくは「ITを使って儲けることしか考えていない企業」だと思います。
一般に、これらの企業にITテクノロジがあると思われているようなら大誤解と思います。
ライブドアがフジテレビに提携事業案を持っていった時、おそらくフジテレビはそのあまりのアホらしさに呆れたのではと思います。ありふれた、誰でも思いつくようなもので、ライブドアも画期的アイディアなんて全然考えていなかったはずです。フジと提携することだけが重要だったのですから。
実際、フジも現在のライブドアとの提携事業は片手間で、今回の事件でさっぱりと清算できそうで喜んでいます。無線LAN事業なんて大したものでもないのに、マスコミに大袈裟に宣伝するのもライブドアのいつもの手です。
そして、小型ライブドアといえる「IT関連企業」は多いです。上場クラスにも、その手前くらいの会社でもですね。一般にユーザーがITといったものに極めて弱いことを利用し、稚拙なサービスで大金を取るのが彼らのやり方です。ド素人に毛の生えた程度の「コンサルタント」が知ったようなことを言って、安直なWebサイトの企画をし、実際の仕事は安く買い叩いた下請けにやらせます。で、ライブドアみたく、マスコミ発表は大好きなのですね。
私も有名IT企業（とりあえずライブドアではない）との交渉にあたっている企業に、コンサルで入り、ユーザーのような顔で相手したことが実際にあります。安易で浅い提案ですが、資料だけは派手で立派なものを持ってきます。私はリップサービスのつもりで「500万くらいかかりますか？」と言ったら、向こうはうすら笑いしながら「いや・・・その程度では・・・」と言い、5000万円以上であることを示唆します。私なら300万円以下でやれそうでしたが・・・（笑）。
現在の景気回復がITバブルとは思いたくないですね。
以前、小泉首相が、ホリエモンを「すごいアイディアを持っている有能な人材」なんて言いますが、いったい何をもって「すごいアイディア」と言ったのか疑問ですね。儲けるアイディアは凄いですが・・・。
ソフトバンクやソフトブレインといった企業はITテクノロジをちゃんと持っています。ライブドアや楽天はこれらと同種の企業ではありません。トップがテクノロジを愛している点が全然違います。
こういった区別はしていった方が良いと思います。
実際、今回の件で、ライブドアの収益の大半は金融であることが明らかにされ、驚きの声も上がっていますが、私は別にいまさらびっくりするようなことでもないと思ったのですけどね。