まいどです。
少し前に「冬が来る前に一度、八丁平に行きたいもんや」と書きましたが、そう考えはじめたら、矢も楯もたまらず突き進む性格。今日は平日ながら休日、しかも雲ひとつない爽やかな秋晴れ。もう行ってみるしかないでしょう。馴染みのトレランシューズが紐を思い切り緩めれば、ガンダムサポーターを付けた足でも何とか履けることを確認。よし、行けるで! せめて八丁平湿原周回道を一周できればいいなと思いながら出発。
いつものようにフジ谷峠道から入り、ゆっくりと登る。意外と快調、登れるぞ。いつかBakuさんが書いていたけれど、ひとりで行く山はどこかトレーニング地味てしまうが、今日はそういうわけにはいかず、ひたすらゆっくり。フジ谷峠から周回道に至るもそれでは飽きたらず、オグロ坂峠まで行ってみる。峠のお地蔵さんもブナ林も昔と変わらず。けど、ここまで来るともう峰床山(970m)に登るしかないやん。そのまま、東稜から峰床山へ。しかし、「行きはよいよい、帰りは怖い」が山の鉄則、靱帯断裂の足首には峰床山からの下りが厳しい。登りよりは下りが厳しいのが常識なんだが。常用ルートの南稜、東南稜は地形が厳しいので敬遠して、クラガリ谷を下って湿原周回道へ。今回は念のためにストックを1本持っいったのだが、大正解(^^; これで左脚を庇いながらひたすら下る。
周回道からフノ坂峠に至る道に入って首を傾げる。ここは鬱蒼とした森だったはず、こんなに明るかったか? 原因は「ナラ枯れ」でした。至るところに立ち枯れた巨木、さらに伐採された巨木の根株。存命中のミズナラ巨木には、ナラ枯れ原因の「カシノナガキクイムシ」根絶に向けた施策中。八丁平の自然は青息吐息状態ですね。ナラ枯れだけでなく、あれだけ林床を覆い尽くしていたクマザサはすべて絶滅、湿原集水域に注ぐ渓流も森林自体の保水力がなくなったせいか、ほとんど枯れ川(数日前に台風が通過したにも拘わらず)でした。今後、どうなるのだろうか。
周回道で、シカにばったりと遭遇、10mの距離でにらめっこ。2〜3分ほど瞳を見つめ合って、ああ、気持ちが通じたなと思ったら、「ピャー、ピャー」と二度もわしを威嚇して、どこかに逃げ去って行った。今年は木の実もクリもあまり実らず、不作の秋になりそう。これも猛暑のせい? 昨年は10月の台風でたたき落とされ、二年続きの不作は彼ら動物たちにとっても大変だろう。
ま、ともあれ、この状態で八丁平に行けたのはかなり嬉しい。二ノ谷管理舎に戻るのにいつもの1.5倍の3時間かかったが。これでようやく、始まらなかったわしの夏も終われた。足だけでなく折れた心のリハビリにもなった。やはりここはわしの原点。よいときも悪いときもここに帰ってくるような気がする。
次は、大原・野村岐れから比叡山北方稜線か?(欲張りな、わし)