色々あって読む気力が起きなかった『比叡山炎上』を入魂の読了。
各所でアップされている感想は概ね好意的なものが多いようですね。
読み物として思った以上に楽しみました。他の時代・舞台へコンバートできるデータもあり、『クトゥルフと帝國』よりは汎用性があります。個人的に注目したのは合戦のルール。こういった実用的ではないルールも逃げずにフォローするのは、さすがプロの作るルールですね。
戦国を舞台にCoCをやりたい人は、本書を待たずとも既にハウスルールでプレイしてしまっている事でしょう。でもそういった誰もが思いつきそうな同人的アイデアを一冊の本としてまとめて発行したことが、本書の評価できる点だと思います。
んで、個人的な感想を言わせてもらうと、「こういうふうにはならないで欲しいなー」という悪い予想が的中したルールが出来上がってまいりました。特に「術」の導入により、一気にリアリティが無くなっています。習得コストに正気度を用いるという独創性のないルールは失笑ものです。正直言って『戦国霊異伝』の方が面白いと思います。息抜きの単発モノとしては使えるかもしれませんが、このルールを使って複数回キャンペーンを張れと言われたら途方にくれます。
CoCファンの何%が「帝国時代」や「戦国時代」に興味があるのか分かりませんが、もうこういった汎用性の低いサプリ(ルール)はたくさんです。著者氏が「続編作りたい」みたいなことを言っていますが、個人的には本書のようなパロディではなく、ワールドワイドに使えるデータに目を向けてもらいたいです。
死蔵決定。早く『Malleus Monstrorum』が読みたい。