アルカンジェロ・コレルリ(1653~1713)
モンテヴェルディから約90年、この頃のイタリアでは、弦楽器の音楽が全盛期を迎
えます。コレルリはヨーロッパ全土で有名なヴァイオリニストでした。パリで成功
し、その後ドイツに渡り、晩年はローマで過ごしました。有名なラ・フォリア(12
番)を含む作品5の中の第9番を今夜は演奏します。ちなみに、第8番は簡易に編曲
されて、トランペット学習者の貴重なレパートリーになっています。
さて次は大バッハ(1685~1750)の登場です。バッハはドイツ人じゃないのと思われ
る方も多いと思いますが、この曲の原題はイタリア趣味によるコンチェルト/独語:
Concerto nach Italienischem Gusto)です。バッハがイタリアの音楽をどのように
感じていたかが推察されると思います。ワイマル時代に、他者の作品を編曲すること
によって協奏曲形式を習得したバッハは、その後ヴァイオリン協奏曲やブランデンブ
ルグ協奏曲などによって、さらにその作曲技法に磨きをかけていきました。そして、
ついにチェンバロ一台だけで、編曲ではなく自作の協奏曲を作曲しました。それが、
バッハの作品の中でも、もっとも愛されている「イタリア協奏曲」です。これは、出
版された当時からも人気が高く、バッハに対して辛口であったシャイベでさえ「単一
楽器のための協奏曲の中でも、群を抜く完璧な範例」といった称賛の言葉を贈ってい
ます。