トランペット未来塾掲示板
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曽我部清典飯靖子デュオリサイタルプログラムノート前半2
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 しかし、先進的な作曲家はもっと進んだ音楽を書きたいと思うのは当然と言えま
す。200年後の16世紀になって、パレストリーナ(1525?~1594)はローマで、ガ
ブリエリ(1554?~1612)はベネチアで、バチカンの思いに反して、ポリフォニーの音
楽を書き進めます。モンテヴェルディ(1567~1643)はさらに押し進めます。ルネサ
ンス音楽からバロック音楽への過渡期に位置づけられており、現在でも演奏されるオ
ペラを書いた最初の人と言われています。いずれにせよ、この時代は、急速に大きく
音楽が動いた時代といえるでしょう。歌劇「オルフェオ」前奏曲は、トランペット華
やかかりし頃の作品で、トランペット5声部で演奏される作品です。この頃、トラン
ペット奏者を多く抱えていることが、権力の象徴とされていました。それが、バッハ
の頃には下の声部2つがなくなり3パートに、その後、給料の高かった最高音域のパ
ートがクラリネットなどにすり替えられて、ハイドンやモーツアルトの頃には2パー
トになります。そして、この頃のイタリアといえば、弦楽器が台頭して来た頃でもあ
ります。モンテヴェルディの作品は、この後のコレルリ・ヴィヴァルディ・タルティ
ーニなどの出現を予想させます。マドリガル「黄金の髪」は、ソプラノ2声とヴァイ
オリン2声に通奏低音で書かれた作品ですが、トランペットとオルガンの右手が、華
麗な二重奏を奏でます。
 アドリアーノ・バンキエリ(1568~1634)はボローニャで活躍しました。マドリガ
ルを音楽劇に仕立て上げた功労者として名が残っています。また音楽理論家として
は、モノディ様式における通奏低音の用法を体系化しています。今日は、上野の森ブ
ラスでも取り上げた「森の音楽会」を、オルガンのいくつかのストップを併用して演
奏します。トランペットが担当するのは「ネコ」。オルガンは「カエル」「カッコ
ー」「小鳥」と「通奏低音」を演奏します。あれ?右手と左手と両足で3声部、一つ
足りないぞ!?その辺も聴きどころです!

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曽我部清典飯靖子デュオリサイタルプログラムノート前半1曽我部清典 2013/05/15 11:50:07

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Re: 曽我部清典飯靖子デュオリサイタルプログラムノート前半3曽我部清典 2013/05/15 11:52:07
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